2017年1月24日火曜日

大雪とマンゴー

先日、ある会合の余興で、弟子屈産マンゴーをゲットしました。
マンゴーと言えば太陽サンサンの下、たわわに実った南国の果物とのイメージですが、極寒の弟子屈でもマンゴーができるのです。その訳は、マイナス15度の寒さと、85度の温泉を利用したビニールハウスがあるから。
温度差があればあるほど糖度を増し,寒さにさらして生存の危機を感じさせないと、花をつけなマンゴー。それには極寒の地「弟子屈」がベストな土地。
今日は大雪、外には出られません。雪かき作業を終えて、ゆっくり味わっていただこうと思います。
収穫日1月21日、食べごろが1月24日ごろ、糖度15度と書かれた説明書を読みながら、「よくもまぁ私のところへ来てくれました」と愛しささえ覚えるてしかが産マンゴーです。
商品名は「摩周湖の夕日」といいます。


2017年1月22日日曜日

ロングスティへのお誘い!!

この度、風曜日では新たな宿泊環境を整えました。
広大な草原の中、摩周からの風に吹かれながら、静かに過ごすロングスティはいかがですか?
詳細は当館までお尋ねください。(☎115-482-7111、三木まで)
ロビーから見た日の出です。






2017年1月14日土曜日

盲導犬と北海道一人旅 風曜日紀行!!(2)


三木さん夫妻は人のニーズを受け止めて柔軟に対応できる方達だなあと、たびたび感心した。私は、北海道の地図がよくわからないので、自分がいる位置が思い描けなくて残念と話した。すると亨さんは、木の板に北海道の地図を彫って、ピンを刺し、立体の地図を作って、私にそれを触らせながら、旅の行程を説明してくださった。
鳥のブローチづくりの手法が役立っています。

また、2日目からは、「UDプラザ」の皆さんが交代でやってきて、私達を友人のようにサポートしながら、さらにあちこち案内してくださった。弟子屈町では、硫黄山の噴気孔まで徒歩で登ったり、屈斜路湖半で乗馬を楽しんだりした。後ろ側の源流では、ジャスミンとガイドさんと一緒にカヌーに乗り、自分でカヌーをこぎながら原生林の中をゆったりと進んだ。阿寒湖温泉や釧路湿原などの景勝地を観光し、アイヌ文化にもふれた。

「UDプラザ」の皆さんは、年齢も職業もさまざま。得意なことを生かしながら協力しあって、弟子屈町を訪れる障害者の旅のサポートをしている。
最終日、UDメンバーとの交流会風景(フラダンスの講習会)

さまざまな観光客を案内するうちに、お店の人が、入り口の段差にスロープをつけたり、使いづらかった障害者トイレを直したり、街全体のバリアフリーが進みはじめているそうだ。

「UDプラザ」のような活動が全国に広がったら、私達はより自由に旅ができることだろう。私達にとって、旅ができることは、人生に喜びや目標が持てることでもある。地方では、公共交通機関を利用しにくいことなど、様々な理由で障害者が出かけて行きにくく、出かけて行く障害者が少ないために、ますますバリアがなくならない実情がある。だが、地方でも、障害のある観光客を積極的に迎えて案内することで、このように誰もが暮らしやすい町づくりを進められることがわかって、希望を抱いた。

 その後、7月に友人が、私と盲導犬と泊まれる宿を探して近くの温泉地の観光会館に問い合わせた。そして、31軒の宿のうち、半数以上の17軒が補助犬との宿泊を認めていないことを示す、×印だらけの一覧表を受け取った。「身体障害者補助犬法」では、全ての宿泊施設は補助券を拒否してはならないことを規定している。そこで、この温泉地のホテル・旅館連合会で、県の担当者が改めて補助犬法の説明をすることになった。

 しかし、弟子屈町の積極的な取り組みと比べると、いかにも残念だ。現在、障害者や高齢者は人口の3割以上を占める。そのニーズに応えてユニバーサルな観光地づくりを進めることは、観光地を蘇らせることにもなるだろう。北海道の小さな町、弟子屈町のみなさんの取り組みに学べることがあるのではなかろうか。

終わり。







2017年1月13日金曜日

盲導犬と北海道一人旅 風曜日紀行!!(1)

昨年5月14日~17日の4日間、盲導犬を連れた女性の宿泊がありました。盲導犬の名前はジャスミン(女の子)、女性の名前は広沢里枝子さんです。長野県にお住まい方で、地元では長野放送のラジオ・パーソナリティーなどで活躍している、明るく、活動的な方です。
先日、その女性から風曜日滞在の手記が送られてきました。ある冊子に出稿されたもので、本人の了解を得られましたので、全文をブログに紹介します。
1857字の長文の為、2回に分けて紹介します。視覚障害者向けUDツアーに取り組んで3年目。このような評価をいただいた事に、驚きと感動を感じています。

【テーマ】「ジャスミン、明日に向かって歩こう」
 私は、オホーツク海の波の響きを聴きながら、ジャスミンと一緒に貝殻を敷き詰めたような渚を歩いた。冷たい海水に手を浸した時、ジャスミンが、ぱっと飛び退って、次の波が寄せてきたことを伝えたので、私も急いで後ずさりした。

 付き添ってくださっていた「ピュア・フィールド風曜日」の三木和子さんが、私の手をとり、左から右へ大きく動かしながら「左手に網走の街が見えます。前には、このようにオホーツクの海が広がって、はるか向こうには雪を冠った北方の島影が見えます。右手には、知床半島。その向こうには、ここからは見えませんが、太平洋があります」と教えてくださった。和子さんの丁寧な説明を聞きながら、私は、北の海の雄大な風景を思い描いた。
知床半島を遠くに、オホーツク海の雄大さを紹介
これは、今年の5月にジャスミンと北海道へ初めて一人旅をしたときの思い出の一つだ。手つかずの大自然の残る道東を巡る旅だった。

 旅のきっかけは、北海道川上郡弟子屈町に、障害のある旅人も大切に迎えている「ピュア・フィールド風曜日」というユニバーサルデザインのプチホテルがあることを知ったことだった。弟子屈町には、障害者の旅のサポートに取り組む「UDプラザ(てしかがえこまち推進協議会ユニバーサルデザイン部会)」の仲間もいて、観光のサポートもしているとのこと。観光には、観光移動料金がかかるが、自由にプランを組み立てられるので、これなら必要なサポートを受けながら、一人旅ができるのではないかと胸が弾んだ。

 女満別空港に着くと、「風曜日」の三木亨さん、和子さん夫妻が出迎えてくださった。この日、私は、夫妻の車に乗せてもらって、最初に走りに行ってオホーツク海にふれ、藻琴山で満開の芝桜にふれてから、小清水峠を越えて弟子屈町に向かい、摩周湖に行った。
藻琴山 満開の芝桜


2017年1月7日土曜日

新年のスタートです。

あけましておめでとうございます。
年末年始は、ご家族3名の宿泊がありました。しかも6日間の連泊です。
84歳になるお母さまと50歳後半の息子さん(車椅子の利用)、それと近くに勤め先のある娘さんの計3名です。
娘さんが仕事に出かけられた後は、お二人で終日部屋でテレビ観戦です。ただコインランドリーは頻繁にご利用されます。
妻が作る朝・夕の食事は大変気に入っていただき、すべて完食。でも、昼食は誰もいないロビーからカップラーメンをすする音が聞こえてくるのです。
昼も食事の提供できるといいのにね・・と、妻がポツリといいます。

ある日の事です。夕食の前の雑談の中で、お母さんが言われました。
「この子のパンツの上げ下げはもう大変になってしまった」
それを傍で聞いてた息子さんは、ゆっくり頭を垂れ、寂しげな眼差しを私達の方に向けてくるのです。何かいいたそうな素振りが私でも判ります。
聞けばその息子さんは幼少のころより施設で暮らしているとか。

滞在中、一番喜ばれたのがリフト付きの家族風呂です。ホテルで肩まで浸かれるお風呂はそうはない、といって毎日ように利用されます。
最終日に娘さんから要望がありました。「仕事で帰りが遅くなるが、今日もお風呂を使わせて欲しい。施設に帰ったら次に風呂に入れるのは1週間後だから・・」

6日間はアッという間に過ぎました。
帰り際、ご家族皆さんからのお別れの言葉に、「明るさ」と「活力」をいただいた新年のスタートでした。

画像はありません。ご了承下さい。