2013年11月8日金曜日

風曜日奮闘記 その(10) 夢は摩周湖のほとりから。

独立へのギアチェンジ(2)~45歳ぐらいまで。
やる気まだ80%ぐらいかな。

南半球の空気を吸い、広大な草原に戯れる羊の群れを見ながらの旅は実に楽しく、素晴らしい経験です。
折に触れ唄われる歌は、その施設のテーマソング。明るくリズミカルで、誰がリードする訳でなく、その場その時の雰囲気に応じて自然に、抜群のタイミングで唄い出されるのです。
娘さんの「車いす押し」にも次第に慣れ、他の車椅子「たま障」との会話も弾み、妻の介護のことなどすっかり忘れ、何か違った世界に居るかのように時間は過ぎていったのです。
旅の途中、施設の職員と思われる20代の男性と仲良くなりました。しかし会話を重ねる内、何度も同じ質問を投げ掛けてくるのです。何度も、何度も・・。
あまりに繰りかえすものですから怪訝そうな態度を取ると、彼は急に黙ってしまい、私に前から去っていってしまったのです。
彼は施設の職員ではなかったのです。軽度の知的「たま障」だったのです。同じことを繰りかえすにはその病の特徴であることが判り、「悪いことをした。ゴメン!」と、今でも思っています。
帰りの飛行機の中、夕日に映える富士山が見え出したころ、誰かが例の歌を唄い出しました。
無事に帰ってこられた安堵感からか、困難を乗り超えた旅の達成感からか、最初は小さな歌声でしたが、やがて大合唱となり機内を満たしたのであります。

それにしてもNZのイルカは私を無視して、「たま障」の子供達のところばかりに集まるのはどうしてだ?


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